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大分大の「合同カフェ」 幅広い情報に触れる場 【伝える考える知る・2022新聞週間(下)】一般記事バックナンバー

 大分市旦野原の大分大では平日の正午ごろ、大分合同新聞を自由に読むことができる「合同カフェ」がキャンパスの一角にオープンする。5日は学生10人がサービスのコーヒーをすすりながら紙面を眺めていた。

 この日のトップニュースは、20年近く在任した広瀬勝貞知事が来春の知事選への不出馬を表明したという内容だった。「とうとう引退するのか」。学生たちは興味深げに活字を追った。

 毎日、10人ほどが訪れる。経済学部3年の小林佑安(ゆあん)さん(20)=大分市鴛野=は、2021年11月の開設初期から利用している。よく目を通すのは県内18市町村の細かいニュースが載る地域面。「ドライブが好きなので各地のイベント情報を確認したい」と話す。

 経済学部1年の中尾槙之介さん(19)=同市旦野原=の主な情報源はインターネット。新聞を頻繁に読むようになったのは、カフェに足を運んでからだ。「誰でも自由に書き込めるネットの情報は本当に信じていいのか分からない時もある。新聞は信頼性が高いと感じる」という。

 合同カフェの設置に協力している大分大キャリア支援室は、就職活動に生かせる表現力や幅広い視点を身に付ける場にしたいと考えている。

 「ネットだけでは自分の好きな分野の話題にしか接しなくなる恐れもある。関心がなかった情報に触れる機会になれば」と今村正明室長(61)は言う。

 新聞がもたらす「偶然の出合い」。その価値を学生たちにも知ってほしいと願っている。 

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