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新聞で国語力育てる/竹田の中3 記事・コラム使い学習一般記事バックナンバー

新聞のコラムを題材にした問題
新聞のコラムを題材にした問題を解く竹田市南部中の生徒

 竹田市内の中学校全6校で、3年生が新聞の記事やコラムを使った学習に励んでいる。語彙(ごい)力や思考力の向上などが目的だ。県教委によると、市ぐるみで授業に新聞を活用するのは県内で初めて。市教委は「探究心や学ぶ力を高めることができる」と効果を説明する。 

 市教委によると、中3対象の「全国学力・学習状況調査」(全国学テ)で2019年度、竹田市の国語の点数が県平均以下に落ち込んだのがきっかけ。18年度までは常に県上位を保っていたため、結果を重視した市教委はプロジェクトチームを設立。今年1月から、当時の中2に新聞活用を始めた。

 6校とも同じ問題プリントを使用している。NIEアドバイザーでもある緑ケ丘中の佐藤美登里教諭(60)をリーダーに、各校の国語科教諭ら8人が、新聞を基に言葉の読みや意味などを問う問題を作成。始業前を中心に制限時間10~20分で解かせ、120字の感想文も求めている。1カ月間に16回のペースで実施し、全教員で丸付けし、コメントを記入して返却する。

 竹田南部中は17日、竹田を舞台にした小説「はぐれ鴉(がらす)」にまつわる、7日付大分合同新聞のコラム「東西南北」が題材のプリントを使用。生徒は知らない言葉を辞書で調べ、重要なキーワードに色ペンで線を引いた。

 新型コロナウイルスによる臨時休校期間があったものの、約4カ月間で生徒に変化が出ている。伊藤千遥さん(14)は「テストの記述式問題が得意になった」と笑顔。工藤大暉さん(15)は「日常生活で、さまざまな言い回しが増えた」。

 佐藤教諭は「新聞を読むことは言葉のシャワーを浴びるようなもの。生徒に考えてほしいと思う話題に触れてもらうには最適」と強調。1、2年生に新聞コラムの書き写しをさせる学校もあるという。

 日本新聞協会の関口修司NIEコーディネーターは「市を挙げて取り組んでいることにすごく意味がある。6校が足並みをそろえ、日常的に続けているので確実に成果が出るだろう」と話した。

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