NIEに関する一般記事

コラム「東西南北」一般記事バックナンバー

 中津市豊陽中学校の図書室にはおみくじが置いてある。「えっ、図書室におみくじ?」と思うかもしれないが、これは生徒たちに新聞を読んでもらう仕掛けなのである▼発案者の学校司書、桑野由里絵さんの話によると―。2年ほど前から図書室に新聞を置くようにしたが、敷居が高いのか、読む生徒はほとんどいなかった。そこで人気の「さがしっこ絵本『ミッケ!』」(小学館)からヒントを得て、「新聞記事から 中学生見っけ!」というコーナーを設けた▼「ミッケ!」は写真ページの中に隠れているものを探すゲーム絵本。豊陽中の場合は、まず生徒が新聞の中から中学生に関する記事を見つける。記事の冒頭にシールを貼って記事全体を読む。その内容を要約して桑野さんに伝えると、おみくじを引くことができる。当たれば桑野さん特製のブックカバーがもらえる▼当たりくじは7本に1本。「当選確率を低くしているのは、当たるまで何度も挑戦してもらうためです」。おみくじは、新聞を身近に感じ、継続して読んでもらう工夫なのだ▼中学3年生の約7割が新聞をほとんど、または全く読まないとの調査結果がある。中学生には難しい内容も含まれているだろうが、遊び心で読める記事が結構ある。紙面の見出しや記事の中から文字を選んで俳句を作る“ゲーム”もある。発行する側としては、新聞をさまざまに活用してほしいと願っている。

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