NIEに関する一般記事

コラム「東西南北」一般記事バックナンバー

 「楽しくなければNIEじゃない!」というのは8月に大分市で開かれたNIE全国大会のパネルディスカッションのテーマだが、先日、新聞活用を絡めた中学校の楽しい体験型授業に出合った▼津久見市第一中学校での美術と理科、総合的な学習の時間の融合授業。県立美術館が県内の学校と連携して実施している教科横断で「新しい学び」を生む取り組みである▼1年生91人が、石灰石など自宅や学校の周りから持ち寄った石を砕いて絵の具を作る。生徒たちは身近な石からさまざまな色の絵の具ができることにまず感動。美術館の担当者から「津久見の石からできる絵の具の色は全国一きれいなんだよ」と聞いてまた感動する▼続く理科の授業で新聞が絡む。教室のモニターに大きく映し出されたのは、5年前、津久見市網代(あじろ)島の岩石から2億4千万年前の宇宙塵(じん)が回収されたことを伝える新聞記事。「網代島は研究者にとって宝の島なんだ」。先生の話に「津久見ってすごい」と生徒たちは目を見張った▼仕上げは学校の体育館で開かれた美術館の所蔵作品巡回展。福田平八郎の「津久見蜜柑(みかん)」など大分を代表する巨匠たちや地元津久見出身の画家の作品に触れた▼「津久見の石や津久見市の魅力を事前に学んだことで新たな視点で鑑賞できる。新鮮な感動がたくさん得られたと思う」と美術担当の永松芳恵主幹教諭。絵を見る生徒たちの目は輝いていた。

このページの先頭に戻る