NIEに関する一般記事

「キーボード」/何を伝えるか試行錯誤一般記事バックナンバー

 8月末に所属部署が変わり、子ども向け新聞「GODOジュニア」の編集をしている。子どもたちが読みたくなる新聞を作りたいが、難しい。子どもたちが何を考えていて、休み時間に友達とどんな話をしていて、どんなことを知りたいのか―。何一つ分からない。何を記事にすれば子どもたちに届くのか悩む毎日だ。

 そんな中、ある小学校の先生がこんな話をしてくれた。「小学生から見たら私たち大人は数十年前の人だ」。大人は自分の経験を踏まえてあれこれ子どもに伝えようとするが、子どもたちは大人が経験したことのない数十年先の未来を生きる人たち。「大人の価値観なんて古いね」と感じても無理はない。

 では大人は何も伝えられないのかというとそうではない。「可能性を切り開く情報を与えることができる」と先生。子どもたちが大人になる頃には今あるものがなくなり、ないものが登場しているだろう。何が起きるか分からない時代。どんなことがあっても、自分で道を切り開く力をつけさせるのが大人の役目ということだ。

 さて「GODOジュニア」は何を伝えるべきか。悩みはより深まったが、向かう方向は見えた気がした。

 (NIE推進室・渡辺美加)

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