NIEに関する一般記事

全校で朝の「新聞タイム」/中津市如水小一般記事バックナンバー

朝の「新聞タイム」で記事を見ながら話し合う児童=10月26日、中津市の如水小学校

 8月4、5日に大分市で開かれた「第21回NIE全国大会大分大会」では、教育活動に新聞を活用するNIEの先進的、効果的な事例が示され、県内外の教育関係者から大きな注目を集めた。県内の学校では大会後、新しくNIEに取り組み始めたり、以前からの実践教員が内容を深めたりしている。11月の「NIE月間」に合わせ、現場の様子を紹介する。(3回続き)


 10月26日、1時間目が始まる前の朝の20分間。中津市の如水小学校(亀井真也校長、364人)は4~6年生を対象に、初めての「新聞タイム」を実施。児童は友達に伝えたくなる記事を探し、記事を基に会話を弾ませた。5年生は記事を題材に1分間スピーチの時間も設け、児童が大勢の前で考えを表現した。月に1回、11月からは新聞タイムを全校に広げる。

 全国大会では、NIEに全校を挙げて取り組む体制づくりの重要性が、特別分科会「NIEのカリキュラム化」で議論された。同校では、本年度転任してきた吉瀬亜希子教諭(48)のNIE実践が6月、管理職の目に留まり、ノウハウを校内に広めるよう求められた。どうやって全校での取り組みにするか考えていたところ、切り抜き記事を家庭学習の材料にするなど、NIEを学習の手段として活用している教員が校内に他にもいることが分かり、できそうな手応えを感じた。

 全国大会で刺激を受け9月、校内教職員向けに切り抜き新聞作りも交えてNIE研修をしたところ「NIEは難しいと思っていたが楽しかった」「大人が楽しいのなら子どもも楽しいのでは」など“苦手意識”をぬぐい去る効果が。管理職や研究主任、教務主任の協力を得て、学校全体で取り組む体制をつくった。

 「新聞を使い、全員が一斉に読むことで、学習に向かう環境づくりにも役立つ」と吉瀬教諭。「新しい、身近な情報に触れることで、学習に意欲を向けるきっかけになれば」と期待している。


【NIE月間】
 日本新聞協会が2005年、11月第1月曜日からの1週間を「NIE週間」に制定。11年にこれを発展させ、11月を「NIE月間」に定めた。協会は「いっしょに読もう!新聞コンクール」の入選作を月間中に発表。都道府県のNIE推進協議会などが月間の前後も含め、公開授業やセミナーなど、NIEの普及行事をしている。

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