NIEに関する一般記事

広がる・深まる・未来へつなぐ④/学校図書館活用一般記事バックナンバー

社会の授業で新聞記事探しを手伝う、東中津中学校の高橋頼子学校司書(右)

記事収集や教材探しで力

 「あの県内の記事は生徒の食い付きが良かったです。最近の話題、何かありませんか?」。中津市の東中津中学校では、図書館の高橋頼子司書が、盛りだくさんのテーマ別に新聞記事をスクラップしており、教員が相談に図書館を訪れるのが日常的な光景になっている。
 高橋司書は授業の補助にも入る。普段本の読み聞かせをするのと同じように新聞記事を読み聞かせたり、生徒が教材記事を探す際は手伝う。高橋司書は「図書館を訪れる生徒の人数も回数も増えた。新聞もいろんなページに目を通している。新聞と図書館を身近に感じてくれているのでは」と、NIEを通じた生徒の意欲の高まりを感じている。
 教員がNIEに取り組もうと思っても、日常業務が忙しい中、教材記事探しやストックが負担になることも多い。マンパワーも含めた学校図書館の活用をNIE推進の核に据える中津市では、市内に23人いる学校司書が「市学校司書研究協議会」を通じて連携。月1回の研修で横のつながりを深め、各自のスクラップで足りない記事を互いにメールで融通している。
 学校図書館をさらに生かし、学習の質を高めるには何が必要か。中津市教委の田辺玲子指導主事は「図書館を読書、学習、情報の各センターとして、より質の高いものにしていく必要がある」とした上で「図書館資料の活用を進める際、新聞は幅広い教科で学習内容とつながりやすい。司書も使い方を工夫してくれている」と、新聞が図書館活用促進に大きな役割を果たしていることを強調する。「記事の収集を児童、生徒の図書委員に分担させるなど子どもの役割も大切」と、学びの質をさらに高める上で、子どもに当事者意識を持たせる必要性も指摘している。

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