NIEに関する一般記事

来年の大分にバトン/NIE全国大会秋田大会一般記事バックナンバー

全国から訪れた教員が公開授業を見学

 新聞の教育への活用法を探る「第20回NIE全国大会秋田大会」(日本新聞協会主催)は31日、秋田市内の各会場で分科会があった。公開授業や実践発表を通して、新聞の教材としての有効性を再確認し、来年の大分大会(8月4、5日)にバトンを渡して閉幕した。
 分科会では秋田県内の小中高校8校が公開授業、4校が実践発表。特別分科会として、ICT(情報通信技術)や学力と、NIEとの関連を探る講義やシンポジウムもあった。
 横手市朝倉小学校は、人口減少を扱った記事を参考に、6年生が複数の班に分かれ、どう地域振興を図るかを議論。意見交換を進める中で、自分たちに何ができるかを考えた。
 号外の記事と写真から独自の「見出し」を考えた八郎潟町八郎潟中学校の2年生は、新聞を細かく読み込み、過去記事や社会的な背景、号外という特殊性も踏まえながら適切な見出しを付けた。
 秋田市の秋田南高校は学校独自に設定した教科「国際探究」の授業で、1年生が地方紙の社説を読み比べた。生徒は日本とオーストラリアが経済連携協定(EPA)で大筋合意したことをテーマにした北海道新聞と神戸新聞の社説を比べ、論点の違いを明らかにしていった。
 この授業を見学した大分舞鶴高校の小坂吏香(りか)教諭は「生徒たちがきちんと発言していて素晴らしかった。社会と国語で教科を横断して授業を組み立てているところは、自分の学校で生かせる部分がありそう」と感想を話した。
 大分大学付属中学校の新納隆司(にいのりゅうじ)教諭はNIEとICTの融合をテーマにした特別分科会に参加。「大分大会の公開授業に向けて取り入れてみたいことがあった。全国へ何らかの提案ができるように取り組んでいきたい」と述べた。
 閉会式では、大分合同新聞社の神足博美常務が来年の大会主管社としてあいさつ。「NIEの未来と今の課題を考えることができて大分大会への大きな手掛かりが得られた。大分での再会と新しい出会いを願っています」と述べた。

このページの先頭に戻る