NIEに関する一般記事

20年以上、NIE実践/蒲江翔南中の大塚教諭一般記事バックナンバー

新聞を活用した授業をしている大塚滋子教諭(右)とコラムを書き写している生徒=2月、佐伯市蒲江の蒲江翔南中学校

 佐伯市蒲江の蒲江翔南中学校で国語を担当する大塚滋子(しげこ)教諭(53)は、新聞を教材とするNIEを授業に取り入れている。20年以上前から新聞を活用してきたというベテラン。1面のコラムを使い、生徒の「読む力」と「書く力」を伸ばしている。2月末に3年生への最後のNIE授業があった。

 3年2組(29人)の授業では「色覚障害とカラーユニバーサルデザイン」をテーマにした大分合同新聞のコラムを取り上げた。大塚教諭が大きな声で読み上げると、生徒はコラムの文章の書き写しを開始。一心不乱にペンを走らせた。
 2011年に蒲江翔南中に赴任後、今の形式でNIEの授業を始めた。生徒はまず、2分間でコラムをできるところまで書き写す。文中に出てきた大切な言葉の意味を辞書で調べた後、3~5分間で80~100字以内で要約。感想を書くこともある。月に3回程度、国語の時間の冒頭を使っている。
 大塚教諭によると、コラムの書き写しは文章を読む速度を上げる効果がある。授業を始めたばかりのころは、2分間で書き写せるのは50字前後という生徒も、次第に100字程度まで書けるようになる。文章をどこで区切って読めばいいか判断する力が身に付くという。
 「時事問題や戦争の問題、佐伯市の話題にも触れることができる。新聞は国語の力だけでなく社会的な関心を広げることができる教材」と大塚教諭。
 2年間、NIE授業を受けてきた竹内雛鞠(ひなぎく)さん(15)は「テストで感想や要約を書く問題が簡単に解けるようになった。ニュースや新聞も興味を持って見るようになった」と授業の成果を話していた。

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