NIEに関する一般記事

コラム「東西南北」一般記事バックナンバー

 「これも新聞で社会とつながる学習だ」と実感した。先日、臼杵市の北中学校で開かれた県NIEセミナーで、「ボランティア」がテーマの新聞活用授業を見た▼1年生の学級活動の授業。ボランティアに関する記事を読み取ることでその意義を知り、活動する人たちの気持ちを考えるのが狙いだ。使ったのは東日本大震災の被災地・岩手県大船渡市で、仮設住宅の被災者らに手作りの学校新聞を届け続けている中学生の話題など六つの記事▼生徒たちは見出しが隠された記事を何度も読み、グループで見出しを考えた。「助け合い」「希望」「思いやり」「感謝」…。付けた見出しのキーワードを首藤剛教諭が板書、「記事に出ている人たちはどんな気持ちで活動しているんだろう」と問い掛けた▼たどり着いた結論は「みんなに喜んでもらいたい、と思う気持ちが活動の意欲につながっている」「人のために頑張ることが結果的に自分のためになる。それを学べるのがボランティアなんだ」▼同校はペットボトルのキャップ回収に取り組んでいるが、いまひとつ自主性が感じられない生徒もおり、「意識を変えよう」と組まれたのがこの授業。「学んだことを参考に自分たちの活動を見直し、それ以外に何ができるかも考えてほしい」というのが首藤教諭の思いだ▼記事を読んで社会の動きを知り、自分たちの実際の活動に生かすことで社会とつながる。こんな学習の積み重ねが、社会と関わり、社会で力を発揮する人材を育むのだろう。

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