NIEに関する一般記事

視野広げる「写真紹介」 / 大分市立寒田小学校一般記事バックナンバー

自分で切り貼りしたお気に入りの新聞写真について説明する1年生の児童たち=大分市の寒田小

 地域社会の今を見詰めるとともに国内、世界の動きを伝える新聞。15日からの新聞週間に合わせて、日々の暮らしの中で有効活用している人たちを取材し、その思いを聞いた。

お気に入り、切り抜き発表

 「お気に入りの新聞写真をみんなに紹介しよう」。大分市寒田小学校1年2組の教室。全校の教職員が見守る中、冨高明美教諭が児童29人に呼び掛けた。
 プロ野球選手のバッティングの瞬間、夜空に咲く花火、広告のお菓子…。児童たちは事前の授業で、新聞各紙から好きな写真を切り抜き、紙に貼って準備していた。この日はこれにイラストや吹き出しを書き込み、なぜその写真を選んだかを発表した。
 飛行機の写真を選んだ足達巧英君(7)は「乗ってみたいから」、田園風景を選んだ高山麗さん(7)は「きれいで行ってみたくなった。みんなの紹介も面白かった」とにっこり。
 本年度から、全学年(589人)で教育に新聞を活用するNIEに取り組む寒田小。学校の研究主題である「一人一人が思いや考えを持ち、伝え合い、高め合うことのできる子どもの育成」を実現するためだ。
 県NIEアドバイザーを務める佐藤由美子校長は「地元や国内外のさまざまな情報が載る新聞は子どもたちの視野を広げるのに適している。教科書で習うことが身の回りでも起こっている、ということを実感してほしい」と語る。
 学年が進むごとに「新聞を読む」「記事を基に考えをまとめ交流する」「新聞をつくり情報発信する」―ことを計画。授業内容を深化させていく。
 図書館には毎日6紙を展示し、読み比べできる環境を整えた。全教職員でプロジェクトチームをつくっており、新聞紙を使った工作品やスクラップなどを展示する「NIEルーム」を設ける予定。
 佐藤校長は「子どもたちが社会の中で生きていることを実感し、将来は社会に関わって貢献する人間になってほしい」。新聞を活用する最終目標を強調した。

<メモ> 学習指導要領では5年生の国語や社会で新聞の読み方、作り方などが登場する。寒田小の場合、1年生から新聞に親しむ取り組みを進めることで、思考や判断、表現する力をより高める狙いがある。

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