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社会の動き知る機会NIEのバックナンバー

大分舞鶴高校2年生

記事選びクラスで説明

聞き取った内容をプリントにまとめる2年生
記事の要約に目を落としながら読み上げる奥村圭太さん
小坂吏香教諭

 新聞記事を読んだ感想や意見を、家族や友人の意見も交えまとめる「いっしょに読もう!新聞コンクール」(日本新聞協会主催)で大分舞鶴高は2019年、2年生から3人(最優秀1人、奨励賞2人)の全国入賞者を出した。日頃は現代文の授業で「記事紹介スピーチ」を実施。各クラスで当番が気になった新聞記事を選び、内容をクラスメートに説明している。

 紹介する記事は人によってさまざま。2019年12月は自分たちが最初の受験者となる大学入学共通テストの話題をはじめインフルエンザの本格的な流行、シェアリングエコノミーなどが紹介された。

 同月下旬に取材した2年7組では奥村圭太さんが、高齢者を対象にした免許制度の改正方針を伝えた記事(大分合同新聞12月19日付夕刊1面)を紹介。クラスメートに記事を見せながら記事内容を要約した文を読み上げ、高齢者だけでなく高校生自身も交通安全に日頃から気を付けるよう呼び掛けた。

 聞く側には上段と下段に分かれたワークシートが配られる。上段に記事紹介者が話した内容をメモ。下段に原稿用紙の升目があり、メモを基に30字前後で聞いた内容の要約文を作る。ここまで5分程度。短時間で情報を整理しアウトプットするトレーニングになっている。

 新聞に目を通す機会がなかなかない生徒たち。現代文を担当する小坂吏香教諭は「発表し聞くことを通じ、世の中でどんなことが起きているかを生徒が自分のこととして知る機会になっている」と、生徒が社会に目を向ける効果を強調。「人前で話すためには考えを整理する必要がある。本年度から聞き取りを取り入れたが、生徒がポイントを絞って聞くようになってきている」と、情報整理力の向上にも手応えを感じている。

生徒の感想

政治経済、面白くなった深蔵晋一朗さん(17)

 「どう話せば分かりやすいか」を考えながら記事を紹介している。同じ記事でも人によって感じ方が違うのも面白い。社会のことを勉強したい気持ちが強くなり、政治経済分野の記事が面白くなってきた。

情報を整理する力付く小野莉紗子さん(17)

 電子機器ばかりで紙の活字を読むことは少ないが、当番をやると情報を整理する力が付く。気になっているニュースは環境問題。グレタさんが同じくらいの年齢で自分の意志を持っているのはすごいと思う。

将来にも役に立つ勉強大庭みなみさん(17)

 記事を読むことで社会の現状が分かる、読解力が付くなど、記事紹介スピーチは今だけでなく将来にも役立つ勉強だと思う。大学入試関連のニュースは自分たちのこととして関心を持って読んでいる。

ラグビー報道うれしい石原直樹さん(17)

 日頃あまり新聞を読まない分、今起きているニュースを知ることやコラムを読むのが楽しい。ラグビーをやっているので、ワールドカップが新聞でたくさん取り上げられ、みんなにラグビーが伝わりうれしかった。

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