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伝える力を身に付けるNIEのバックナンバー

大分市吉野小4年生

表現を工夫し新聞作り

実際の新聞を開いて見る4年生
“デスク役”の本松教諭に下書きを見てもらう4年生
本松健一教諭

 小学4年生の国語では、相手や目的に応じて調べたことが伝わるよう、工夫しながら書く能力を身に付ける教材として新聞作りが取り上げられている。大分市吉野小の4年生(28人)は、実際の新聞を見たり特徴を学んだ後で市内への見学遠足に出向き、そこで見たり調べたりしたことを「見学遠足新聞」にまとめた。

 4年生が見た新聞は、大分合同新聞6月17日付朝刊。手元に届くとすぐ、いろんなジャンルの記事に目を通した。9面には熱中症などに備えるため、大分市立の小学校のエアコン設置を夏休み明けまでに完了させる市教委の方針を伝える記事があり、当事者として読めたようだ。新聞は見出しやリード(第1段落)を読めば記事の大枠が分かること、文章と見出しだけでなく写真や図、表なども活用し分かりやすく伝えていることを、大分合同新聞社の記者が説明した。

 4年生は新聞の授業を受けた翌日、市内の佐野清掃センター、市消防局南消防署、松岡水資源再生センターの3カ所に見学遠足へ。見聞きしたことを材料に新聞を作った。「枠の中に収まるよう文章を練って。誤字や脱字にも気を付けて」と“デスク役”の本松健一教諭。4年生は本松教諭が準備した写真や図も活用。学んだことを素直に伝え、見出しと本文の文字の大きさにメリハリを付けることを意識して紙面をデザインした。

 「力強いクレーン」「はしご車35メートル!」「水をきれいにする微生物」など、簡潔かつ何のことだろうと読者を引き込むメインの見出しも完成。出来上がった新聞は他学年にも見てもらおうと廊下に張り出した。

 新聞という表現手法を知り、作る学習について本松教諭は「書くことが楽しいという感想を出してくれた児童もいて、全体的に思った以上によくできていた。伝えたいという意欲が書く力の向上につながる」と振り返った。 (宗岡博之)

児童の感想

間違いに気を付け読みやすく糸永詩音さん(9)

 見学遠足新聞を作ってみて、ちゃんとできるか心配だったけど、写真を貼るのが面白かった。本物の新聞を見て、見出しに興味を持った。次に新聞を作るときは字の間違いに気を付け、読みやすくしたい。

丁寧な字心掛けうまく作れた高橋沙羅君(9)

 見学遠足では清掃センターのクレーンがすごかった。消防士の服装や訓練にも興味を持ち、もっと知りたいと思った。新聞作りはちょっと不安だったけど、丁寧な字で伝えることを心掛け、うまく作れた。

見出しをまとめるのが難しい小野千宙(ちひろ)さん(9)

 見学遠足新聞は見出しを10文字前後で付けることを意識したが、短い言葉にまとめるのが難しかった。本物の新聞では、見出しを見ただけで文章の内容がある程度分かることが面白いと思った。

写真を貼る場所にこだわった時松碧(ひかる)君(9)

 見学遠足新聞はたくさんの字を書くのが難しかったけど、写真を記事に合わせた場所に貼ることにこだわって作った。次に新聞を作るときはもっと見たり聞いたりして、より詳しく書けるようになりたい。

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