NIE

「読む」「書く」力、着実にNIEのバックナンバー

大分市寒田小学校

日常の授業に新聞活用

こども新聞「GODOジュニア」から習った漢字を探す1年生
ワークシートでアフリカのことを学ぶ2年生
曽根崎豪教諭

 2014年度からNIE(教育に新聞を)の実践指定校となっている大分市の寒田小学校。16年のNIE全国大会大分大会を前に指定を受けたが、大会後も新聞を使った学習が根付き、日常化している。毎週金曜日朝、1時間目を始める前の「NIEタイム」を1月下旬にのぞいた。

 4年生を担当する曽根崎豪教諭が学校全体のNIE担当だが、学年ごとにも担当者を指定し、学年ごとに内容を決めている。

 1年生はこども新聞「GODOジュニア」の過去号から1ページを児童にランダムに配布。児童はその中から習った漢字を探した。漢字を習う前は片仮名探しにも挑戦。内容は分からなくても字を追う目は真剣だ。

 教員や新聞各社が作ったワークシートを活用することも多い。2年生はアフリカの地図に色を塗りながら、問題に答えるワークシートに挑戦。担任の解説に聞き入った。5、6年生は新聞コラムを書き写す「視写」。高学年になると新聞の文章に慣れているのか、すらすらと書き写していく。

 3、4年生はこの日は他の学習活動をしたが、普段は時事ニュースを扱ったワークシートに取り組み、読解力や社会への関心を高めている。

 朝の時間だけでなく日常の授業でも、教科ごとに新聞を活用できるタイミングを、年間計画に盛り込んでいる。「新聞を学習目的に合わせた手段として継続活用することで読む、書いて表現する力が付く。学習成果を壁新聞などでまとめる際、児童も気付かないうちにスキルとして表れてくる」と曽根崎教諭。

 佐々木和典校長は「児童も長年の継続でNIEに親しんでくれている。新聞をはじめいろんなメディアから情報を得て、自分で考えるよう育ってくれれば」と期待を込めた。 (宗岡博之)

児童の感想

知らないことを調べる面白さ阿部紋子(あやこ)さん(9)=3年

 NIEのワークシートでいろんな知らないことが分かるのが楽しい。難しいけど、それを調べるのもまた面白い。新聞記事は教科書より字が小さい分、集中して読むので、集中力も身に付いたと思う。

教科書を読むのが速くなった蒲原康平君(10)=4年

 新聞記事を使ったワークシートには知らない言葉がいっぱい出てきて、世の中の知らない事柄もいっぱい出てくる。毎週のようにたくさん読んだので、教科書も読むのが速くなった気がする。

要約や見出しを考える楽しみ宿利彩寧(あやね)さん(11)=5年

 NIEタイムで視写している新聞コラムは難しいけど、要約したり自分で見出しを付けたりするのは楽しい。国語の教科書とは文章の形式などが違うけど、知らないことが次々出てきて世界が広がる。

書き写しを続け「成長」感じた三砂(みさご)桧ノ貴君(12)=6年

 新聞コラムを目標タイムを意識して速く書き写すのが楽しい。ずっとやってきて、読み取る力が付いてきた。黒板に書かれたこともノートに速く書けるようになり、頭にも内容がより入るようになったと思う。

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