NIE

「生き方」考える材料にNIEのバックナンバー

大分南高校2年生

「社会の状況」を切り抜き

関心を持った記事をスクラップする2年生
学級担任からアドバイスを受けながら真剣に記事を選ぶ2年生
池辺祐子教諭

 大分南高校の普通科2年生(1~4組)は本年度の総合的な学習の時間で、新聞スクラップに取り組む。将来の進路、生き方を考える材料として社会の状況、動向を知り、興味や関心を広げるとともに、記事を読み考えをまとめることで面接や小論文に必要となる論述力も鍛える狙いがある。

 2年生155人が独自の視点で記事を選んだ新聞スクラップは、集めて学年全体の共有財産に。ニュースのジャンルごとに分類して資料化し、進路を考える際の情報検索に役立てる。

 授業はクラスごとに担任が進める。4月下旬の1回目の授業。新聞スクラップを企画した池辺祐子教諭は2組で、生徒に「教科の枠を超えた学習がなぜ必要か。社会で活躍していく上で社会との接点がなければ、せっかくの教科の学習も役に立ちません」とこの学習の意義を強調した。

 ランダムに配られた新聞から関心を持った記事を選び、ワークシートに貼った。中津市耶馬渓町で起きた山崩れや熊本・大分地震からの復興など、災害関連の記事量が全体的に多かったためか、多くの生徒が新聞をめくる手を止めて見入っていた。

 「いじめ」「働き方改革」「SNS」「仮想通貨」…。目に飛び込んできた見出しの言葉から、内容に興味を持ち読み進める生徒も。池辺教諭は「新聞はネットと違い、めくっていると意図していなかったことも目に入ります」と、突然未知のことにも出合える新聞の機能を説明した。

 スクラップは今後も増やす一方、社会についての考えをまとめるトレーニングもしていく。池辺教諭は「新聞スクラップを通じて生徒が外で起きているいろんなことに目が行き、自分とどう関わるのかを考えられる状態に持っていきたい」と話した。
(宗岡博之)

生徒の感想

政治のこともっと学びたい益田めぐみさん(16)

 障害者らに対する不妊手術のことを読んで初めて知った。今は自分も政治とか関係ないけど、社会に出たら若者が高齢者を今以上に支えていくことになるので、新聞で政治のことをもっと学びたい。

ニュースを知る必要性実感児玉憲典さん(16)

 進路を考えたときに、やはりニュースを知っておいた方がいい。元々サッカーのハリルホジッチ監督解任のニュースに関心があったが、新聞で海賊版関連の記事を読み、なぜ今まで放置されていたのかと思った。

労働時間考えるきっかけに松下加偉さん(16)

 たまたま見つけた長時間労働の記事を読み、もうちょっとみんなが平均した時間で働けたらいいのにと考えた。今まで新聞を見ていなかったのでいろんな記事を見て、日本の社会状況とかを把握していきたい。

スポーツ欄多く、楽しかった児玉愛美さん(16)

 新聞は普段あまり見なかったが、ソフトボールをしているのでスポーツ欄が多くて楽しかった。働き方改革についての記事が気になりスクラップした。自分の進路につながることを新聞から調べていきたい。

このページの先頭に戻る