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見出しの理由考えるNIEのバックナンバー

佐伯市鶴岡小学校5年3組

読み比べ、キーワード探す

記事の読み比べの問題に正解し喜ぶ児童たち

 「三つの記事を読み比べ、見出しについて考えよう」。10月中旬、佐伯市鶴岡小学校5年3組の国語の授業。渡辺万寿生教諭が、野球のU―18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)決勝で日本が米国に破れ準優勝となったことを報じた新聞記事を黒板に張った。9月7日付で、大分合同新聞の他、全国紙2紙のもの。「三つの記事の見出しを考えてみよう」と渡辺教諭。記事を読んで、ぴったりな見出しがどれかを探すのがこの日の学習だ。
 「日本世界一逃す」「日本準V 米に惜敗」「日本遠かった1点」。渡辺教諭が見出しを黒板に張ると、前の時間に記事を読んでいた児童からは「もう分かった!」の声。渡辺教諭は「記事の中からキーワードを見つけ、どうしてその見出しになったのか理由を付けて説明しよう」と指示を出した。
 まずは1人で考え、その後グループになって意見を交換。「『1点』と書いているからこれかな」「世界一を逃したって書いているよ」。班のメンバーとそれぞれの考えを出し合った。何度も記事を読み直し、見出しと同じ言葉がないかを探していった。
 授業の終わりに答え合わせ。渡辺教諭が記事と見出しの正しい組み合わせを示す度に、教室からは「やったー」と拍手が起こった。感想を発表した児童は「家でも新聞をもっと読みたい」「新聞を読み比べるのも悪くない」と話した。
 渡辺教諭は「記者は記事の中にある言葉を使って見出しを付けている。同じニュースでも、記者や新聞社によって考え方が違い、見出しも違ってくる。読み比べると楽しいかもしれませんね」とまとめた。

授業の狙い

目的意識持たせた

渡辺万寿生教諭
「目的意識を持って文章を読ませるのに新聞は有効」と話す渡辺万寿生教諭

 目的に応じて複数の文章を比べて読むのが単元の狙い。文章の中に隠れているキーワードを見つけながら読ませるのには、新聞記事がいいと考えた。児童の中にはクラブ活動で野球をやっている子もおり、U―18ワールドカップ(W杯)は教室で話題になっていた。興味があるニュースの記事で、目的意識を持って読ませることができたと思う。最後の答え合わせの場面では、拍手が起こり児童は楽しそうな表情を浮かべていた。意欲的に学ぶ姿勢を養うという意味で、新聞記事を教材で使うことの有効性を感じた。

児童の感想

新聞読めば勉強になりそう松下優斗君(10)

 見出しを考えるのは難しかったけど、記事のどこかに理由が書かれているということが分かった。新聞を読むのは勉強になりそう。将来、農家か漁師になりたいので、TPPの問題に興味がある。

他の人の意見を聞いて納得川野悠陽(はるひ)君(10)

 最初は自分の意見と班の人の意見が違っていたが、他の人の意見を聞いて納得できた。記事の文章を読んでキーワードを探すのが楽しかった。新聞は普段は読まないが、いろんな記事が載っており読んでみたい。

社会や国語で役に立ちそう猪俣秀真君(11)

 どの見出しか最初は迷ったが、記事を比べてみると分かった。野球をしているので、U―18W杯のニュースは興味があり知っていた。記事を読み比べるのは楽しかった。新聞を読むのは社会や国語で役に立ちそう。

戦争の記事を読んでみたい大司(おおじ)悠貴君(11)

 文字がたくさんあり、キーワードを探すのは難しかった。新聞を使った授業は楽しかった。新聞はあまり読まなかったが、家でもどんどん読みたいと思った。戦争の記事などを読んでみたい。

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