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地域の特色伝える地図NIEのバックナンバー

大分市寒田小学校4年1組

記事を選び、みんなで相談

記事の切り抜きを使い、地図を作る児童たち
授業では記事を使ったワークシートを活用している

 「わたしの大分県地図を作ろう」。大分市寒田小学校の4年1組の教室。社会科の授業の初めに、小石愛教諭が大きく板書した。
 児童たちの手元には新聞記事の切り抜きと、大分県の白地図をプリントした紙。4~5人のグループごとに北部、中部、西部、南部のエリアを振り分け、地域の特色を伝える地図作りを目指す。過去の授業ではその資料作りとして、各自が関心を持った記事選びを進めてきた。
 小石教諭は「地図のテーマがはっきりしているか、それに合った資料を選んでいるか、見る人がわくわくする楽しい地図になるか、みんなで話し合ってみよう」と呼び掛けた。
 「ぺろり中津からあげ」「タヌキも躍動 姫島の盆踊り」「別府の共同温泉の存続支援」…。地域の魅力や話題を伝える記事を基に、児童たちは「大分グルメ旅」「大分県の行きたいところ」「温泉盛りだくさん」といった“オリジナル地図”のテーマを決めた。
 グループの話し合いでは、それぞれテーマを選んだ理由を発表したり、アドバイスを求めたりした。きれいな花が咲く名所を紹介した記事を選んだ児童は「家族で行ってみたいと思ったから」と理由を説明。おいしそうな食べ物をテーマにした地図を作ることに決めた児童は「ほかに集めた方がいい記事はありますか」とみんなに相談していた。
 話し合いが終わると、児童たちは白地図の紙にたくさんの記事を貼り、説明や感想を書き入れた。
 後日、児童たちは見やすいように色を塗って仕上げた。記事を活用し、自分で調べ、考えて作り上げた地図について、それぞれ発表した。

授業の狙い

自分の考え表現、進行に沿い議論

小石愛教諭
地域の特色を伝える地図作りを指導する小石愛教諭

 「祭りを楽しもう」「大分グルメ旅」など一人一人がテーマを設定し、「わたしの大分県地図」を作る授業をした。
 集めた新聞記事がテーマと合っているか判断したり、記事の感想を書いたりする活動では、文章を読み取る力が必要とされる。見出しやリード文、写真を基に内容をつかみ、地図に添付する記事を取捨選択し、自分の考えを表現させたいと考えた。
 添付する記事がテーマに合っているか話し合う活動では、進行に沿って議論する力が大切。話し方に注意したり、進んで質問や感想を述べ合ったりする姿を望んだ。
 こうした学習活動は学習指導要領の「言語活動の充実」に当てはまる。多分野で旬な話題を取り入れている新聞を今後も活用しながら、言語の力を育みたい。そして思考力・判断力・表現力を高めていく学習を展開していきたい。

児童の感想

竹田、日田市に行ってみたい小原優斗君(10)

 竹田市、日田市で行ってみたい、食べてみたいと思う記事を集めた。竹田にはおじいちゃん、おばあちゃんがいる。日田市は父さんが仕事で通っているけど、まだ行ったことがないから知りたかった。

食べ物のこといっぱい紹介姫野和希君(9)

 食べ物のことを書いた記事の中からテーマを選び、食べ物のことをいっぱい紹介した。オリーブを育てている人の話、空揚げを作っている人の話が載っている新聞の切り抜きを地図に貼った。

ブドウ栽培一生懸命さ知る山内瀬莉さん(10)

 県西部の地域の人が頑張って作っている食べ物をテーマに選んだ。記事を読んで、ブドウを栽培している人が一生懸命なことが分かった。友達からこんな記事もいいんじゃないのってアドバイスをもらえた。

家族で行きたい場所テーマ中野ひなたさん(10)

 家族で行ってみたい場所をテーマにした。記事に載っているお花や食べ物を見たのがきっかけ。「お客さんは来てるのかな?」とか気になった。グループのみんなもたくさん記事を切り抜いて頑張っていた。

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