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空き家活用、町元気にNIEのバックナンバー

国東市国東小3年2組

身近な出来事、調べ発表

国語の授業で身近な出来事について学ぶ3年2組の児童

 私たちの町が元気になるような出来事や催しを紹介しよう―。国東小学校の3年2組(22人)。新聞記事などから身近な出来事を調べて説明し、質問や感想を言い合う国語の学習に取り組んだ。
 安部詠子教諭(44)が1枚の地図を掲げた。「何から切り取ったものか分かりますか?」。教室からは「新聞」と元気な答え。地図(2013年1月1日付本紙朝刊)には赤、青、黄、緑色の、丸や三角の印がたくさん載っている。児童は、地図が県内の小中学校の統廃合の様子を示したものだと気付いた。
 国東市に注目し、印がどこの学校を示しているかをみんなで確認した。上国崎小、大恩小、豊崎小など閉校になった学校も載っている。「国東市では小学校の数が幾つから幾つになったでしょう?」。児童は印を数え、国東、国見、安岐、武蔵の旧町ごとに減った学校の数を計算。最も減っていたのは旧国東町だった。
 「こんなに減っているんだな」「前は国東にすごく学校があったんだな」「なぜこんなに減ったの?」
 ここで安部教諭は1枚の校舎の写真を見せた。閉校した旧西武蔵小(旧安岐町)。今は段ボール製組み立てキットを製造する会社になっている。「なくなった学校を活用しています」
 市内で取り組みが進む空き家利用も紹介。「空き家を利用したのは何のため? 建物の中を見てみたくない?」と尋ねると、「見てみたい」と児童。「今度調べに行こうと思います。いろんなことを調べるときに新聞を活用できたらいいですね」と、この日の授業を締めくくった。
 新聞記事から地域のことを知った児童。ケーブルテレビの放送からも地域の話題を仕入れ▽ふるさと祭り▽Kトラ市▽学校跡地利用▽空き家利用―について4班に分かれて調べ、みんなの前で発表することにした。
 そして迎えた発表。学校跡地利用について調べた班は、市の担当者に尋ねて調べた跡地利用策を紹介。閉校になった学校に通っていた男子児童は「同級生は僕だけで少し寂しかった。国東小にきてうれしい」。
 空き家利用について調べた班は、実際に空き家に行って撮った写真や、取り組みを紹介する新聞記事を見せながら発表。「空き家が多く、問題になっていることが分かった。いろんな行事に参加して国東市を元気にしたい」と話した。

授業の狙い

資料、写真、映像使い、考える過程大切に

安部詠子教諭
「新聞には子どもを引きつける要素がたくさんある」と話す安部詠子教諭

 「方法を選んで紹介する」ことを目指す全10回の国語の授業。これまでは図書館の本やパンフレット、インタビューなどを通して、話す、聞く活動をした。新聞やテレビの情報について考えたり、資料や写真、映像を使って調べたことを説明するのは今回が初めて。調べたり発表する方法を考える過程を大切にしたい。
 新聞記事の良さは写真や地図、グラフが載っていること。小3なので文章は一つ一つ辞書を引いて読まなければならない。小3に新聞は難しいのではと足踏みする部分もあるが、写真や一目で見て分かるマーク、色使いなど子どもを引きつける要素が紙面にはある。毎日届く身近な新聞の教材化を進めたい。
 閉校になった学校から来た児童もおり、授業で思いを発表する場も持てる。地域に関心を寄せるきっかけにしたい。

児童の感想

地元の学校減少、不思議に清原将人君(9)

最初に新聞の地図を見た時、天気予報の地図かと思った。学校がいっぱい減っていて、なぜ国東で学校がこんなに減っているのかと不思議に思った。学校がどれくらい減ったのか調べてみたい。

子ども、友達多い方がいい田川怜奈さん(9)

国東市の中でも国東町が一番学校がなくなっていたのでびっくりした。子どもがあまりいないのかなと思う。大分市は小学校が多いのに。学校がいっぱいあった方が、友達がたくさんいるからいいと思った。

きれいにすれば転入者も長本凌君(8)

大分市に小中学校がいっぱいあるからびっくりした。人がいっぱい住んでいるからだと思う。国東市で空き家を利用していることは初めて知った。きれいにすれば誰かがいいと思って引っ越してくるかも。

大工の父に聞いたことも今冨紗来(さら)さん(9)

なくなった学校を再利用しているのはいいことだと思った。空き家のことは大工のお父さんが建てていたから知っていた。実際に見たこともある。とってもきれいだった。きれいになった空き家に住んでみたい。

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