飛び出せ学校

別府市南小5年 地域の“遺産”を発見飛び出せ学校のバックナンバー

上原記者と新聞作りの勉強をする児童たち
「どんな見出しにしようかな」と考える児童たち

古き良き“宝物”たくさん

 “別府温泉発祥の地”として知られる浜脇地区がある別府市南小学校区には、泉都の歴史と文化を伝える遺産が数多くある。地域の魅力を多くの人に伝えようと、同校の5年生が新聞作りに取り組んだ。
 「南小校区で大分県の皆さんに紹介したいものは何ですか?」。上原照美記者(45)=大分合同新聞別府支社=が問い掛けた。児童からは「べっぷ浜脇薬師祭り」「浜脇温泉」「南部児童館」「東別府駅」と元気な声が次々と上がった。
 薬師祭りについて詳しく知ろうと浜脇3丁目自治会長の三重野治久さん(69)を教室に招いた。三重野さんは「平安時代に豊国法師が浜脇に薬師如来像を安置したのが起源。どんな難病でも治る霊泉の不思議な力に感謝して祭りが始まった」と説明。祭りのメーン行事「風流見立て細工」や「花魁(おいらん)道中」、子どもに人気のお化け屋敷など、楽しい催しも紹介することにした。取材の仕方や写真の撮り方を学んだ児童たちは、他のテーマも調べてみようと学校を飛び出した。
 学校の近くにある別府市南部児童館の歴史について、県ふるさとガイド連絡協議会顧問の河村建一さん(75)にインタビュー。有名な建築家・吉田鉄郎の設計で昭和3年に旧逓信省別府電報電話局として建てられたことや、国の登録有形文化財に指定されていることが分かった。
 約100年の歴史を持つ東別府駅の駅舎がずっと木造のまま利用されていることや、浜脇温泉の名前の由来を知った児童たちは、発見を紙面にまとめようと菅亜里沙記者(25)=大分合同新聞整理部=から見出しの付け方やレイアウトを学んだ。イラストもたくさん使い、校区の魅力がいっぱい詰まったカラフルな新聞が出来上がった。


子どもたちが作った紙面

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