NIEに関する一般記事

 第12回「いっしょに読もう!新聞コンクール」(上) 「自分なりの意見」収穫 性的少数者問題、身近に 優秀賞 松村紅音さん 中津市中津中3年一般記事バックナンバー

「新聞にはテレビやインターネットでは得られない情報があると感じた」と話す松村紅音さん=中津市中津中

 「身近な問題との認識はなかった」が、性的マイノリティー(少数者)に関する記事(朝日新聞6月22日付朝刊)を題材に選んだ。「スカートで通学 普通のことに」という見出しが気になったからだ。

 写真は女子中学生に見えた。「女の子ならスカートをはいて登校するのは当たり前なのでは?」

(基準は人それぞれ)

 記事は、生まれた時の性別は男で、幼い頃から違和感を抱えてきた中学生を取り上げていた。母親や学校と話し合い、スカートで登校する選択をした経過や、専門家による見解や課題の指摘がまとめられていた。

 読み終えて、「当たり前」の基準は、実は人それぞれ違うことを理解するべきだと気付かされた。

 記事を大学1年生の兄に見せると、意外な答えが返ってきた。高校時代の友人から、性自認の問題で悩んでいることを打ち明けられたと教えてくれた。間接的ではあるが、性的マイノリティーを表す「LGBTQ+」を取り巻く問題が身近な存在に感じられた。

(ネット情報を補う)

 日頃はテレビやスマホが身近なメディアという。「今回、いろんな新聞記事に触れた。文字が多くて読むのが大変だし、写真の数などビジュアルも物足りない。でも、テレビやネットの情報を補い、知識を高めることができた」と話す。

 なんとなく見聞きしていたニュースを、自分なりの考えや思いを踏まえて理解しようと心掛けている。「一つ一つの課題に、私自身の意見を持つようになった」ことが何よりの収穫だ。

 国語が好きで、文章を書くことも嫌いではない。「将来は漠然と、人と関わる仕事に就きたいと思っています」とはにかんだ笑顔を見せる。「新聞を読み続けて、目の前のさまざまな問題に少しでも目を向けられる大人になりたい」

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 家族や友人と新聞記事を読んだ感想などを募る本年度の第12回「いっしょに読もう!新聞コンクール」(日本新聞協会主催)に、県内から2個人・1学校が入賞した。それぞれが感じた記事への思いやNIE(教育に新聞を)の取り組みを紹介する。

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