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新聞で読解力アップ/第4回NIE子ども会議一般記事バックナンバー

「第4回NIE子ども会議」で話し合う児童、生徒
司会を務める平山立哉・大分市坂ノ市小教頭

 NIE(ニュースペーパー・イン・エデュケーション=教育に新聞を)に取り組む学校で新聞を使った学習を経験した児童、生徒が楽しさや効果を話し合う「第4回NIE子ども会議」が11月9日、大分市の大分合同新聞社であった。日本新聞協会認定NIEコーディネーターの平山立哉・大分市坂ノ市小教頭が司会を務め、佐々木茜さん(大分市鶴崎小6年)、岩本梨邑(りお)さん(同市戸次中1年)、川野夏矢さん(津久見市第一中2年)、吉田伊吹さん(大分舞鶴高2年)の4人が意見を出し合った。発言要旨を紹介する。

司会者からの質問

(1)心に残ったNIEの授業や活動
(2)NIEで付いた力や役に立ったこと
(3)今後新聞とどう付き合い、人生に生かすか


大分のことが分かった
佐々木茜さん(大分市鶴崎小6年)

 (1)「飛び出せ学校」と「切り抜き新聞グランプリ」。一から新聞を作ったのがいい思い出になっている。切り抜き新聞では気になった大分の出来事をまとめ、記事のレイアウトが楽しかった。校内のコンクールで入賞できてうれしかった。
 (2)大分で起きていることがよく分かり、役に立った。先生が学校に新聞を用意してくれたり、修学旅行や運動会など行事のたびに新聞にまとめる活動も役に立っている。他の参加者の話を聞き、中学校や高校でもいろんなNIE活動があることが分かり、進学するのが楽しみになった。
 (3)これからも新聞と楽しく付き合い、たくさんの情報を身近なことからたくさん知り、調べ学習にも活用していきたい。新聞を使って楽しかったことを親に話したり、小学校で高学年から低学年に学ぶ楽しさを教えたら、NIE活動がもっと広がるのかなと思う。


「なぜ」も含め社会知る
川野夏矢さん(津久見市第一中2年)

 (1)朝の新聞活用タイムで記事を見たり、新聞コラムを使った週末課題が出るので、最近の日本の話題を「なぜ」も含めて知ることができている。職場体験などで学んだことをはがき新聞にまとめており、一人一人違いが表れるのが楽しい。
 (2)新聞コラムの中から気になったり分からない単語の意味を調べることで言葉の力が付いた。コラムの書き写しをすると、言葉の正しい使い方も分かる。個々でやっている新聞作りをグループでやると、互いに意見を聞けるし、いろんなことに詳しくなれるのでいいと思う。
 (3)自分の世代はカタカナ語や略語でコミュニケーションを取ることが多い。それだけに頼らず新聞を活用して言葉の種類を増やすことが、自分の思いを伝えやすくすることにつながる。スポーツ面や1面のインデックスだけでなく、多くの面を記者の意図もくみ取りながら読んでいきたい。


自分の言葉に責任持つ
吉田伊吹さん(大分舞鶴高2年)

 (1)現代文の授業の最初に、当番が気になった新聞記事を選んで紹介し、他の生徒は当番が伝えたかったことを要約している。友達が台風について取り上げたとき、防災意識を高めなければと自分も考えた。課題研究での発表資料作りに、図書館にあるジャンル別の記事ファイルが役に立っている。
 (2)現代文でやっている取り組みは記事を紹介する人、紹介を聞く人どちらも勉強になる。自分が紹介する際にどう話せば分かりやすいか、聞く際には相手の言葉をどう受け取ればいいか、情報処理能力が高まったと感じている。
 (3)AIの時代だからこそ新聞や書籍など活字と関わる機会を大切にして、大人になっても新聞を読むようにしたい。言葉は誤った発信や受け取り方をすると人間関係にも影響する。普段から、書いたことや発言に責任を持てる大人になりたい。


文章能力を磨く機会に
岩本梨邑さん(大分市戸次中1年)

 (1)毎週1回、新聞記事を読んで問題を解くNIEワークシートに取り組んでいる。ラグビーワールドカップの記事から自分で意見を考え、班で話し合ったこともあった。はがき新聞を作ったり、新聞から好きな言葉を切り取ったりする活動も印象に残っている。
 (2)文章を読むのが苦手だったが、ワークシートに取り組んで読む能力がアップした。国語の点数も上がった。読むこと、書くことへの意欲が出てきて、校長先生が全校集会で話題にした新聞記事の続きが読みたくて学校の新聞コーナーに行ったり、そこで読んだ記事への意見を書き加えるようになった。
 (3)人を助ける仕事に携わりたいという思いを持っているが、世の中のことを知らなければ助けられない。ちゃんと読んで文章能力を上げたい。とりあえずテスト対策としても新聞を有効に活用したい。

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