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公開授業後の研究討議で活発に意見を交わす教諭ら=5日、大分市のホルトホール

 2日間で約1400人が参加した「第21回NIE全国大会大分大会」は5日閉幕。参加者は子どもと社会をつなぐ新聞の役割を再認識し、教育現場で新聞を効果的に使うノウハウを吸収した。参加者の声からは、大分ならではの教育実践や、NIEを日常的な活動にしていくための組織づくりなどを通じ多くのことを学んだ様子がうかがえた。


「自信持って取り組みたい」

 大分市滝尾中3年は、NIEの教科ではまだ珍しい保健体育を公開授業で取り上げた。大分県民が運動不足だと報じる記事を糸口に、生徒が活発に発言。運動の効果と健康について考えた。研究討議に参加した宮崎県都城市小松原中のNIEアドバイザー宮本和典教諭(38)は「生徒の思考を導く流れが素晴らしかった。教科の枠にとらわれない学びがNIEの良さ。授業と実社会を結び付ける役割も担っていかなければ」と評価した。
 普段とは違う環境の中、多くの児童生徒が心地よい緊張感で公開授業に臨んだ。大分市判田中の学級活動は、新聞に載った3人の人物の生き方から自らの今後の生き方を考える内容。神田遥奈さん(15)=3年=は「感謝の気持ちを持つことを、自分もこれから実行したい」と発表した。授業後は「多くの人に見られて緊張したが、ちゃんと話せて良かった。今後も新聞を読んで人となりを考え、学びたい」と、ほっとした様子で話した。
 学校図書館とNIEについて学ぶ特別分科会に参加した大分市寒田小の岩尾知子教諭(49)は「NIEに興味を持ち、実施している先生は多い。それぞれの取り組みという『点』を、このような場で『線』につなげることが大事」と実感。中津市如水小の吉瀬亜希子教諭(48)は「2日間を通してNIEの効果が分かり、低学年でもしっかり新聞が読めると確信した。大人の方で難しいと決め付けず、自信を持って取り入れていきたい」と、手応えを話した。
 大分からのNIEバトンは、愛知へと渡された。次大会で実践発表する愛知県愛西市八開中の鈴木賢一教諭(37)は、大分市鶴崎小と豊後高田市高田中の実践発表などを見学。「大分は県としてのNIEの方向性がしっかりしていて盛んな印象。来年は授業が子どもたちのその後にどうつながったかが分かるように発表したい」と今後のヒントをつかんだ様子だった。


▽2日目も速報新聞発行/高校生記者

 県内の新聞部や写真部の高校生記者17人は主会場のホルトホール大分で、4日に続き大会を取材。
 速報新聞「豊の国ほっとNEWS」を2回発行した。
 大分豊府高校が担当した通算第3号は、特別分科会と実践発表に触れ、学生ボランティアの声も紹介。大分上野丘高校が担当した第4号は、公開授業や次大会関係者の声を報じた。
 同校2年の甲斐菜摘さん(17)は「取材後すぐ文字にするのが大変だった」と話した。

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