NIEに関する一般記事

広がる・深まる・未来へつなぐ⑤/行政にできること一般記事バックナンバー

NIE研修で、気になった新聞記事を基に意見を交わす教員=大分市旦野原の県教育センター

狙いに即した授業を提案

 7月上旬に県教育センター(大分市旦野原)で行われた、教職員対象の「NIE研修」。教職員が任意にメニューを選ぶ、テーマ別研修の一環だ。参加者44人のうち「3分の2くらいは新しくNIEに接する人」(同センター)だったが、教育に新聞を活用する意義や目的、先進校の実際の活用状況などを学習。当日の新聞から気になる記事を探して参加者同士で紹介し合うワークショップにも、楽しそうに取り組んだ。
 教育現場でNIEがさらに進むよう、県内で行政(県教委)は研修による普及という形でバックアップしている。NIE研修は昨年秋に続き2回目でまだ歴史は浅いものの「受講者の評価は高く、学校で実践する教員も増えている。NIEが確実に学校に広まっている実感がある」と、同センターの佐田香織指導主事。「思考力や判断力、表現力など、付けたい力を付けさせる手段の一つとして、NIEを他の研修でも狙いに即して紹介していきたい」と、さらなる普及拡大に意欲を示す。
 教育現場でのNIEの間口を広げ、続けやすくするためにさらに行政にできることは何か。3月まで同センターの所長を務めた、大分大学COC+推進機構の梶原敏明統括コーディネーターは「新聞教材をどう授業の教科書指導とマッチングさせるか、教員が迷わないようにするのが行政の役割。新聞教材を使って『こんな授業もできる』ということを提案していく必要がある」という。
 NIEに対する管理職の理解があることも、学校現場では重要な要素。「社会に開かれた教育課程を作る上で、NIEはいいチャンス。県教委が進めていることで現場管理職もやりやすくなるので、リードするセンターの役割は大きい」と、教育センターがさらに旗を振るよう求めている。
 =終わり=
 (この連載はNIE推進室・宗岡博之が担当しました)

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