NIEに関する一般記事

広がる・深まる・未来へつなぐ③/カリキュラム化一般記事バックナンバー

食品ロス関連の記事を読み、意見をまとめる舞鶴小学校の6年生

校内組織づくりが不可欠

 大分市の舞鶴小学校が昨年度から月1回、全学年で実施している「NIEタイム」。6月は6年生が、食品ロス関連の新聞記事を読んでどう思うか児童が考えた。
 「もったいない」「何で(店で余った食べ物を)捨てるんだろう」「賞味期限が来たから?」「あげればいいのに」…。すらすら記事を読んで次々と意見を出す児童は、新聞を使って学ぶことに慣れている様子。
 「もったいないを防ぐため、自分たちにできることを考えてみよう」「先生もみんなも、こういう問題をつくっている(社会の)一人」という若杉健志教諭の呼び掛けに、注目して聞き入っていた。
 NIEを単発の授業で終わらせず、学校全体で継続的な活動に位置付ける「カリキュラム化」。同校の高野彰校長は「月1回ではあるが、低学年は新聞に親しんだり、学年に応じた活動ができている。取り組みへの教員の関心が高まったり、(新聞になじみの少ない)若い教員が新聞自体に興味を持つようになった」と、カリキュラム化の効果を説明する。
 ただ、カリキュラム化には学校全体の共通理解と校内組織づくりが欠かせない。
 昨年度まで北中学校(臼杵市)で校内の組織づくりを進めた、第一中学校(津久見市)の永松芳恵主幹教諭は「管理職の理解があったこと、教員が各教室で生徒といい関係をつくってきたこと、NIEを本格的に取り入れる前から作文の活動を積極的にしてきたことなどが大きかった」と振り返る。
 組織づくりには「学年ごとに“ミドルリーダー”が必要」と、校内で人を育てる重要性を強調。「幼小中高の連携も大事になる」と、校種を超えてつながることが各校の動きを促進するという考えも示した。

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